フリーランス社会保険とは?5種類の仕組みと加入すべき保険を解説

- フリーランスは原則「国民健康保険」と「国民年金」に自分で加入する。
- 退職後の国民健康保険の届け出は、原則として退職日の翌日から14日以内。
- 2026年度の国民年金保険料は月額17,510円の定額。
- 会社の健康保険を続ける「任意継続」は退職日から20日以内に手続きし、最長2年。
- フリーランスは厚生年金・雇用保険・労災保険には通常加入しない。
フリーランス社会保険の結論

フリーランスが入る社会保険は、ほぼ「国民健康保険」と「国民年金」の2本立てです。
私自身、会社員からフリーランスになったとき、いちばん戸惑ったのがここでした。会社員時代は給与から勝手に引かれていたものが、全部「自分で役所に行って手続きするもの」に変わります。
しかも保険料の計算方法も負担割合も会社員時代とは別物。正直、最初の納付書を見て金額に驚いた記憶があります。
目次
この記事は「フリーランスが入る社会保険の全体像→健康保険の具体的な選び方→保険料の目安→よくある質問」の順で進めます。

- 社会保険の5種類とフリーランスとの関係
- フリーランスが加入できる健康保険の種類と手続き
- 国民健康保険のしくみと保険料
- フリーランスの社会保険についてよくある質問
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開業1年目につまずきやすいのは、税金より先に「社会保険の切り替え」だと私は感じています。
会社を辞めると、健康保険証は返却。年金は厚生年金から国民年金へ。どちらも放っておくと保険料の請求だけが後から重なってきます。
開業届と一緒に、健康保険・年金の切り替えも「やることリスト」に入れておくのが現実的です。freeeの開業ツールなどを使えば開業届の作成自体はかなり楽になりますが、社会保険の手続きは別途、市区町村や年金事務所で行う必要があります。
社会保険は全部で5種類

広い意味での社会保険は「健康保険・介護保険・年金保険・雇用保険・労災保険」の5種類で、このうちフリーランスが基本的に関わるのは健康保険と年金保険です。
会社員はこの5つにまとめて入りますが、フリーランスは制度ごとに加入できるかどうかが変わります。
| 種類 | 内容 | フリーランスの扱い |
|---|---|---|
| 健康保険 | 病気・けがの医療費を補う | 国民健康保険などに自分で加入 |
| 介護保険 | 介護サービスの費用を補う | 40歳以上は国保の保険料に上乗せ |
| 年金保険 | 老後・障害・遺族の年金 | 国民年金(第1号被保険者)に加入 |
| 雇用保険 | 失業時の給付など | 原則加入できない |
| 労災保険 | 仕事中のけがの補償 | 原則対象外(一部特別加入あり) |
正直に言うと、フリーランスにとっていちばん痛いのは雇用保険と労災保険が基本的に使えないこと。失業手当も労災もないので、その分の備えは自分で考える必要があります。
健康保険
フリーランスの健康保険は、市区町村の「国民健康保険」に入るのが基本です。

国民健康保険は、会社の健康保険を外れた人などが加入する公的な医療保険です。会社員時代の健康保険証は退職時に返すので、その後の医療費を3割負担で受けるためには、別の医療保険への加入が欠かせません。
選択肢は国民健康保険のほか、業種ごとの「国民健康保険組合」、会社の健康保険を続ける「任意継続」があります。どれを選ぶかは保険料で変わるので、後の章で具体的に比べます。
介護保険
介護保険は40歳になった月から加入が義務づけられ、フリーランスの場合は国民健康保険料に上乗せして納めます。
会社員のように給与天引きの別枠ではなく、国保の保険料の中に介護分が含まれる形です。
つまり40歳を境に、同じ収入でも国民健康保険料が上がります。私が窓口で相談を受けるときも、「急に保険料が増えた」という方の多くが、ちょうど40歳になったタイミングでした。
年金保険

フリーランスは国民年金の「第1号被保険者」として、毎月定額の保険料を自分で納めます。
国民年金は、20歳以上60歳未満の日本国内に住む人が原則加入する公的年金です。会社員は厚生年金にも入りますが、フリーランスは厚生年金の被保険者には通常なりません。
保険料は所得に関係なく定額で、2026年度(令和8年度)は月額17,510円です。納付期限は原則として翌月末日。会社員時代の厚生年金が「給料に応じて変動・労使折半」だったのと違い、全額自己負担の定額になります。
将来の年金額を増やしたいなら、国民年金基金・付加年金・iDeCo(個人型確定拠出年金)を上乗せする方法もあります。私の意見では、まず付加年金(月額の上乗せが少額で見返りが分かりやすい)から検討するのが入りやすいと思います。
雇用保険
フリーランスは雇用保険に原則として加入できません。

雇用保険は「雇われている人」が失業したときの給付を受けるための制度です。自分で事業を営むフリーランスは、雇われている立場ではないため対象外になります。
これは見落としやすいところで、フリーランスには失業手当がありません。仕事が途切れた時期の生活費は、自分で蓄えておくしかない。ここは会社員から独立するときに、私がいちばん強く意識した点です。
労災保険
労災保険も原則として労働者向けの制度で、フリーランスは基本的に対象外です。
仕事中にけがをしても、会社員のような労災給付は受けられないのが基本です。一部の業種では「特別加入」という制度で任意に入れる仕組みがありますが、誰でも自動で入れるわけではありません。
医療費は国民健康保険でカバーできますが、休んだ間の所得補償は別問題。所得補償保険などで自分で備えるかどうか、ここは早めに考えておきたいところです。
フリーランスが加入できる健康保険の種類と手続き

フリーランスの健康保険は「国民健康保険」「国民健康保険組合」「任意継続」の3つから選び、保険料が安い方を選ぶのが基本戦略です。
3つを並べて比べると、向き不向きがはっきりします。
| 種類 | 加入先 | 保険料の決まり方 | 手続き期限 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 市区町村 | 前年所得・加入人数・自治体で決まる | 退職日の翌日から14日以内 |
| 国民健康保険組合 | 業種ごとの組合 | 組合ごとの規約(定額が多い) | 組合の定めによる |
| 任意継続 | 退職した会社の健保 | 退職時の標準報酬月額などで計算・全額自己負担 | 退職日(資格喪失日)から20日以内 |
任意継続には条件があります。資格喪失日の前日までに継続して2か月以上の被保険者期間があること、そして手続きは資格喪失日から20日以内。加入できる期間は最長2年です。
会社員時代は保険料を会社と折半していましたが、任意継続では事業主負担がなくなり全額自己負担になります。だから「在職中の手取りから引かれていた額の2倍くらい」になるイメージで考えておくと、判断を誤りにくいです。
私が相談を受けるときの目安は、前年の所得が高い人ほど任意継続が割安になりやすく、独立初年で前年所得が低い人は国保が安くなりやすい、というもの。ただし国保組合に入れる業種(デザイン・文筆など)なら、組合が選択肢の本命になることもあります。
国民健康保険
国民健康保険の保険料は、前年の所得・世帯の加入人数・住んでいる自治体の3つで決まり、全国一律ではありません。

同じ収入でも、住む市区町村が違えば保険料が変わります。だから「フリーランスの国保はいくら」と一律には言えません。
手続きは、退職などで会社の健康保険を外れた日(資格喪失日)から、原則14日以内に市区町村の窓口で行います。退職を証明する書類(健康保険資格喪失証明書など)と本人確認書類を持っていくのが基本の流れです。
独立初年の注意点をひとつ。国保の保険料は「前年所得」で計算されるため、会社員として高収入だった翌年にフリーランスになると、収入が下がっているのに保険料は高い、という時期が発生します。私はここで資金繰りに焦った経験があるので、独立初年は「保険料は前年ベースで来る」と覚えておいてください。
よくある質問
よくある質問
最後にひとつだけ。社会保険の手続きは「期限」と「前年所得で決まる」の2点さえ押さえれば、あとは窓口でなんとかなります。退職が決まったら、まず健康保険資格喪失証明書をもらう段取りから始めてください。
