自営業の国民健康保険料を計算する方法|仕組みと注意点を解説

- 国民健康保険料は前年の所得と自治体ごとの料率で決まり、全国一律ではない。
- 保険料は「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分(40〜64歳)」の合計で計算する。
- 計算の基本は所得に応じた「所得割」と、加入者1人ごとの「均等割」の組み合わせ。
- 所得割の基礎額は、前年の総所得金額等から基礎控除43万円(合計所得2,400万円以下)を引いた額。
- 正確な金額は、お住まいの自治体の公式試算ページで所得と人数を入れて確認するのが確実。
自営業 国民健康保険 保険料 計算の結論

国民健康保険料は、前年の所得をもとに自治体ごとの料率で計算され、同じ所得でも住む場所で金額が変わります。
私は社労士として加入手続きを何件も見てきましたが、最初に聞かれるのが「で、結局いくら?」という質問です。残念ながらこの一言では答えられません。理由は、国保が市区町村ごとに運営され、料率も賦課方式も自治体で違うからです。
名古屋市は、保険料算定の基となるのは「加入する人数」と「前年1月1日から12月31日までの1年間の所得」だと案内しています。つまり、所得と人数さえ分かれば、自治体の公式試算でかなり正確な見込みが出せます。
そもそも個人事業主が加入する国民健康保険とは?
国民健康保険(国保)は、会社員などが入る健康保険に加入していない人が入る、市区町村が運営する公的な医療保険です。

自営業やフリーランスとして独立すると、会社の社会保険から外れます。その代わりに加入するのが、この国保です。
運営しているのは市区町村なので、窓口も住所地の役所になります。ここがポイントで、運営主体が違うからこそ、保険料率も自治体ごとにバラつきます。広島市も、保険料は自治体ごとに設定されると案内しています。
所得がある人は、税申告や所得申立が必要になる場合があります。広島市は、所得がある場合は申告等で決定した所得をもとに保険料を計算すると説明しています。確定申告をしていれば、その所得が自動的に使われる、と考えてもらって大丈夫です。
会社員の健康保険(社保)との主な違い
最大の違いは、社保が保険料を会社と折半するのに対し、国保は原則として全額を自分で負担する点です。
会社員時代に給与明細を見て「健康保険料、けっこう引かれてるな」と思った方もいるはずです。でもあれ、実は半分は会社が払っています。
国保にはこの事業主負担がありません。だから独立後に「思ったより高い」と感じる人が多いのです。これは私自身がフリーランスになったときに実感したことでもあります。
もうひとつ大きいのが扶養の考え方です。社保なら配偶者や子を扶養に入れても保険料は増えませんが、国保には扶養という概念がなく、加入者の人数ごとに均等割がかかります。
| 項目 | 国民健康保険 | 会社員の健康保険(社保) |
|---|---|---|
| 運営主体 | 市区町村 | 健康保険組合・協会けんぽ等 |
| 保険料の負担 | 原則全額自己負担 | 会社と折半 |
| 扶養の概念 | なし(人数分の均等割がかかる) | あり(扶養家族が増えても保険料は不変) |
| 保険料の決まり方 | 前年所得+自治体の料率 | 主に標準報酬月額 |
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国保料を下げる鍵は、所得を正しく計算する確定申告にあるため、申告まわりの知識をあわせて押さえると効果が大きいです。
国保料は前年の所得で決まります。ということは、経費を正しく計上して所得を適正に抑えることが、そのまま保険料にも効いてくるわけです。
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青色申告特別控除は、要件を満たすと所得から最大65万円を差し引けます。所得が下がれば、所得割で計算される国保料も下がる、という仕組みです。
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私の率直な意見としては、事業を続ける見込みがあるなら早めに青色へ切り替えたほうが得です。白色は「まずスタートを切るための一歩」と割り切るのがいいと思います。
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独立1年目の確定申告は、所得の計算方法と提出期限を押さえれば、過度に恐れる必要はありません。
窓口で多いのが「いつの所得が対象なのか分からない」という相談です。国保料も確定申告も、対象になるのは前年1月1日から12月31日までの所得です。名古屋市も令和8年度の試算基準を、令和7年1月1日から12月31日までの所得と示しています。
この期間の感覚さえつかめば、確定申告も国保料の見込みも一気に分かりやすくなります。
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確定申告で使える控除のうち、国民年金保険料やiDeCoの掛金は社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除として所得を直接減らせます。

見落としがちなのが、支払った国民健康保険料そのものも社会保険料控除の対象になる点です。1年間に納めた保険料は、確定申告で所得から差し引けます。
国民年金やiDeCoの掛金も同じく所得控除の対象です。これらを活用すると課税所得が下がり、結果として翌年の国保料の所得割も抑えられます。MUFGの解説でも、国保料計算では総所得金額等から基礎控除を引いた額を使うと説明されています。
国民健康保険料はいくら?計算の仕組みはどうなっている?
国保料は、前年の総所得金額等から基礎控除を引いた「算定基礎額」に料率をかけ、人数分の定額を足して計算します。
広島市は、総所得金額等から基礎控除額のみを差し引いた額に保険料率を乗じて所得割を算出すると説明しています。この基礎控除額は、合計所得金額2,400万円以下なら43万円です。
| 合計所得金額 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 2,400万円以下 | 43万円 |
| 2,400万円超 2,450万円以下 | 29万円 |
| 2,450万円超 2,500万円以下 | 15万円 |
| 2,500万円超 | 0円 |
年度の途中で加入した場合は、届出日ではなく被保険者となった月から月割りで計算されます。広島市は、最長2年までさかのぼって納付が必要になると明記しています。逆に途中で資格を失った場合は、喪失月の前月分まで月割りで計算されます。
保険料を構成する3つの区分

国保料は一般に「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分」の3つの区分を合算して年間保険料を計算します。
このうち介護分は、40歳から64歳の加入者だけに上乗せされます。39歳以下や65歳以上は、この区分の計算には含まれません。
| 区分 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 医療分 | 医療給付の費用にあてる | 全加入者 |
| 後期高齢者支援金分 | 後期高齢者医療制度を支える | 全加入者 |
| 介護分 | 介護保険の費用にあてる | 40〜64歳の加入者 |
自治体によっては、この3区分に加えて「子ども分」を別建てで賦課する場合があります。広島市は、医療分・支援分・介護分に加えて子ども分を含めて計算すると案内しています。
保険料の計算要素(所得割・均等割)
国保料の計算の柱は、所得に応じてかかる「所得割」と、加入者1人あたり定額の「均等割」の2つです。

所得割は、算定基礎額に料率をかけて求める、所得が多いほど増える部分です。均等割は、加入者の人数に応じてかかる定額部分です。自治体によっては、世帯ごとに定額でかかる「平等割」も加わります。
| 要素 | かかり方 | 負担の単位 |
|---|---|---|
| 所得割 | 算定基礎額 × 料率 | 所得に比例 |
| 均等割 | 1人あたり定額 | 加入者の人数 |
| 平等割(自治体による) | 1世帯あたり定額 | 世帯ごと |
民間の解説では、世田谷区の令和6年度基準を使った試算が紹介されることがあります。ただしこれは世田谷区固有の数値で、全国共通ではありません。目安はあくまで目安、と受け止めてください。
だからこそ、私はいつも「最後は自治体の公式試算で確認を」とお伝えしています。名古屋市や北九州市は、所得と加入人数を入れて令和8年度の年額(12か月分)を試算できると案内しています。
よくある質問
国保料の計算で読者からよく聞かれる質問を、実際の窓口対応をもとにまとめました。
よくある質問
最後にひとつだけ。国保料が「高い」と感じたら、まずやるべきは経費の見直しと青色申告です。所得を適正に下げることが、翌年の保険料に効いてきます。今日の入力からでも始められます。
